女性の悩みでもあるホルモンバランスの崩れ、代表的なものとしては、女性ホルモンの不足によって閉経の前後に起こる更年期障害などがあげられます。女性ホルモンは女性らしさ保ち、若さを保つために必要な成分ですが、それ以外にも女性の健康に対して大きな役割を果たしています。
更年期に卵巣機能が低下してくると、女性ホルモンが減少することで、さまざまな症状がみられます。また、月経前にホルモンバランスが崩れることで体調不良を自覚することもあります。
以上のことから、女性が活き活きと生活するためには、女性ホルモンは切っても切れない存在となっています。
今回はそんな女性ホルモンの働きを補い、ホルモン不足により現れる症状を和らげる成分であるエクオールについて、その働きや効果、有効な取り入れ方についてみていきたいと思います。
エクオールとは、大豆に含まれる健康成分として知られる大豆イソフラボンに由来する健康成分で、大豆イソフラボンにはダイセインという成分が含まれています。このダイセインは体内に入ると腸内に存在する腸内細菌によってエクオールに変換されます。
つまり、健康成分である大豆イソフラボンが働くためには腸内細菌の力をかりて、変換される必要があり、その変換された成分がエクオールということになります。このエクオールは卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンと類似した働きをします。
なお、卵巣機能は加齢に従って徐々に活動が低下し、50歳前後で卵巣は活動を停止するため月経が来なくなります。これを「閉経」といいます。この閉経の前後5年間を合わせた10年を「更年期」と呼びます。 更年期には卵巣からのホルモン分泌が低下するので、それに伴ってホルモン欠乏の症状がでてきます。これが更年期障害です。
エストロゲンは自律神経の調整作用や、骨を丈夫に保つ作用、コラーゲンの産生を促す作用もありますので、欠乏するとさまざまな症状を呈します。
具体的には自律神経の異常により、のぼせや顔が熱くなるホットフラッシュといった症状や動悸などが現れることがあったり、骨からCaから溶け出すのを抑える作用を持つエストロゲンが減少することで骨粗鬆症を発症したりする場合があります。このようにエストロゲンの減少が原因で、更年期障害が発症するので、それを補う成分を体内に取り入れ、症状の緩和をすることが重要です。その成分が今回ご紹介する健康成分、エクオールなのです。
エクオールの期待できる効果としては、更年期ののぼせや肩こりの改善、コラーゲン産生促進による肌のしわの改善、骨の吸収を抑えることによる骨粗鬆症の予防、更年期の意欲低下やイライラ、情緒不安定の改善などが知られています。このような多岐にわたる効果をもっているエクオールは、更年期を迎える女性や閉経している女性にとって、不足したエストロゲンと同様の作用を得るために日常的に取り入れたい成分であるといえるでしょう。
前述のように多くの健康効果を持ったエクオールですが、どのようにすれば取り入れることができるのでしょう。
エクオールは大豆に含まれる大豆イソフラボンが変換されてできる成分ですので、大豆製品を食べることで取り入れることが可能です。
1日に摂取することが推奨されているエクオールの摂取量は10mgです。大豆イソフラボン30-50mgに相当する量です。これは納豆であれば1パック、木綿豆腐であれば半丁から2/3丁で取れる量です。毎日無理なく取れる量ですね。
しかし、エクオールを摂取するためには1つ問題があります。大豆イソフラボンからエクオールに変換されるには腸内細菌の力が必要なのですが、この腸内細菌の構成次第ではエクオールを作ることができないのです。
この腸内細菌は生活習慣や食事、年齢などで変化するため、エクオールをもともと作れた方が作れなくなることもあれば、反対にもともと作れない方が作れるようになる場合もあります。
肉類が中心となっている米国やオーストラリア、ヨーロッパではエクオールを作ることができる人は30%程度ですが、日本は比較的大豆製品をよく食べる人が多いので、50%程度の人がエクオールを作ることができるといわれています。
しかし近年、食の欧米化の影響があり、エクオールを作ることのできる人が減ってきているという報告もあります。エクオールを作れる体質になるためには、腸内環境が重要です、大豆製品や緑黄色野菜、キノコ類など食物繊維をしっかりと摂取することが有効です。
また、エクオールを作ることがきるかどうかはエクオール検査キットで確認することができます。自分がエクオールを作ることができる体質なのかどうかチェックし、作れるのであれば大豆製品を日常的に摂取することで、エクオールを取り入れることができます。
エクオールが作れない人がエクオールを作れるようになるためには、まず大豆をたくさん摂取することが有効です。豆腐や納豆などの大豆製品を毎日摂取するように心がけることで、腸内環境が変化してエクオールが作れるようになる可能性があるということが明らかになっています。
大豆を普段あまり食べない人と、大豆を毎日食べる人を比較すると、エクオールの産生量は、大豆をあまり食べない人であれば25%程度なのに対して、ほぼ毎日食べる人は50%程度という結果になりました。大豆をたくさん摂取することがエクオールの恩恵を受けるための手段として有効であることが示唆されます。
しかし、大豆を毎日摂取してもエクオールが確実に作れるという保証はないのでは・・と多くの人が疑問をもつことでしょう。
また、エクオールがからだでつくることができない人や大豆製品を毎日食べるのは少ししんどいという人もいるかと思います。エクオールが作られる人の場合でも毎日確実に作られるというわけではなく、腸内環境によってエクオールの産生量は左右されます。
このような場合に有効なのがサプリメントによるエクオールの摂取です。エクオールのサプリメントは1錠に必要な量のエクオールを含有しているので、気軽にエクオールを摂取することができます。もちろん、腸内環境を整えることは、その他のさまざまな病気を防ぎ、さらに体質を改善し、健康な日々を送る助けにもなりますので、サプリメントでエクオールを摂取し、腸内環境を整えていくことが重要です。
今回は大豆由来の健康成分であるエクオールについてその効果や効率的な摂取方法について解説していきました。エクオールは女性ホルモンであるエストロゲンに類似した作用をもち、さまざまな健康効果をもたらすことが知られています。
なお、エクオールを産生できるかどうかは人によるので、自分は体内でエクオールを作れるかどうか、検査キットで確認してみましょう。エクオールを作れない人は腸内環境を改善するために食生活や生活習慣を改善するとともにサプリメントでエクオールを補充することをおすすめします。
また、エクオールを作れる人でも安定してエクオールを補充するために、サプリメントをぜひ活用しましょう。