手軽に食べられて、値段も安い。私たちの朝ごはんの定番になっている納豆ですが、様々健康に良い効果も報告されています。
その健康効果がどうして発揮されるのか、どのように食べればより効果的に健康効果を得ることができるのかについて見ていきましょう。
納豆には免疫力を高める作用や整腸作用などの健康効果を発揮します。
それらの効果は納豆に含まれるどのような成分によってもたらされるのでしょうか。
納豆の免疫効果に関連する栄養素としてはまず、タンパク質があります。
タンパク質はエネルギーを生み出す栄養素の一つで、細胞を構成する栄養素です。
臓器などを作るだけでなく、免疫細胞や、抗体などの免疫力アップのために欠かすことのできない成分です。
納豆にはタンパク質が豊富に含まれるので食事に追加することで免疫力を底上げできるのです。
次にビタミン類です。
納豆にはビタミンB群が豊富に含まれます。
ビタミンB群の中でB２は皮膚や粘膜の状態を維持するのに必要です。
皮膚や粘膜は体の中に病原体が入らないようにするバリア機能を司るため、状態を良好に保つことは免疫力の向上に大きく関連します。
また、ビタミンB６は代謝に関係する酵素の反応に必要です。
不足すると代謝が低下して体温の低下、血流の低下などがおこり、免疫力が低下します。
代謝に関係する成分として亜鉛があり、これも納豆に多く含まれています。
亜鉛は様々な細胞の代謝に関連するのでしっかり摂取すると免疫力向上に役立ちます。
免疫力を語る上で外せない臓器があります。
それは腸です。
腸には免疫を司る細胞の６割以上が含まれていて、腸内環境を整えることは免疫力を高めることに直結するのです。
この腸内環境を整える成分として納豆菌があります。
納豆菌は大豆を発酵させて納豆を作る際に必要に使用される細菌です。
納豆菌は胃酸に強く、生きたまま腸に到達することができるため腸内環境を整える作用があります。
腸を整える乳酸菌の栄養源になったり、腸内細菌の活動を助けることで腸内環境を整えるのです。
ここまで免疫に関する納豆の効果について見てきましたが、納豆の健康効果は免疫を保つだけにとどまりません。
まず、納豆には豊富な食物繊維が含まれています。
食物繊維には腸内環境を整える作用があり、免疫力の向上に繋がるのですが、それ以外に、糖質の吸収が穏やかになると言う効果があります。
食後の血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌量を減らすことができます。
これにより、膵臓の負担を軽減して糖尿病のリスクを低下させることができるのです。
ちなみに納豆１パックを50gとすると３.3gの食物繊維が含まれています。
これは１食に必要とされる食物繊維の半分に相当します。
食事にプラスすると食物繊維を多く取り入れることができるのです。
それから納豆の健康効果を語る上で外せない成分としてナットウキナーゼがあります。
納豆のネバネバ成分であるナットウキナーゼは、血管の中にできる血の塊（血栓といいます）の成分であるフィブリンを分解する作用があり、血栓の予防や、できてしまった血栓の溶解といった効果を発揮します。
血栓ができると血管が詰まってしまう可能性があります。
血管が詰まり血液が流れなくなると、付近の細胞は酸素や栄養の不足により、死滅してしまいます。
これが脳で起こると脳梗塞、心臓の血管で起こると心筋梗塞を引き起こします。
どちらも人生の質を大きく左右する重大な疾患です。
脳梗塞を含む脳卒中は寝たきりになる原因として最も多く、心筋梗塞を起こすと心機能が大きく損なわれます。
これらを予防するのは健康寿命を延ばす上で非常に重要なのです。
様々な健康効果のある納豆ですが、どのように食べるのがいいのでしょうか。
まず、納豆を食べる時は熱が加わりすぎないようにすると良いと言われています。
ナットウキナーゼが熱に弱いという性質を持っているためその効果を発揮するには、熱が加わらないようにする必要があります。
ご飯と一緒に食べるときはご飯に混ぜるのではなく、別々の器にいれて食べると良いでしょう。
血栓が夜にできやすいという特徴があるため夜に納豆を食べるのが良いとされています。
また、毎日納豆を食べるのは難しいという方や納豆が苦手な方はサプリメントで摂取するのも効果的です。
今回は納豆の免疫力アップ効果や健康効果について解説しました。
様々な健康成分を含み価格も安く手軽に食べられる優秀な健康食である納豆、納豆が苦手な方にはサプリメントなども活用し、是非生活に取り入れましょう。
